
今年4月、ASUS JAPANは法人向けPシリーズのミドルレンジノートPC「ASUS ExpertBook P3」を国内向けに発売した。
本機はCPUにCore i7-13620Hを搭載し、AIアシスタントやAIノイズキャンセリングといったAI機能により、ビジネス用途における生産性向上をサポートするほか、冷却機構や堅牢性など、ビジネス現場での長時間利用を想定した設計が随所に盛り込まれている。
今回、実機をASUS JAPANから借りることができたので、スペックや実際の使用感を中心にレビューしていく。
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ミドルレンジに見えない完成度。堅実なデザインと高い質感

ASUSのExpertBookシリーズといえば、派手さよりも実用性を重視したデザインが特徴だ。P3も例外ではなく、マットな質感の筐体は落ち着いた印象で、どんなオフィスにも馴染む。
重量は約1.45kgと、このサイズ (16インチ) のノートとしては比較的軽量。頻繁に会議室やクライアント先を行き来するビジネスパーソンでも無理なく持ち運べる。

筐体はもちろんながら、ヒンジやポート部分などの剛性も高く、米軍MIL規格に準拠したテストとASUS独自の耐久性テストの両方をクリアしている。具体的には、急激な温度変化や突然の衝撃、激しい振動といった、実際の使用環境に基づいたテストが行われているという。ビジネス現場での取り回しを考慮すると、この堅牢性は安心感につながる。

16インチのWUXGA (1,920×1,200) ノングレア液晶は、発色が自然で長時間の作業でも目が疲れにくい。ビジネス用途を考えると、光沢を抑えたノングレア仕様は正解だ。屋外でも問題なく作業することができた。



キーボードは打鍵感がしっかりしており、キー配列もクセが少ない。タッチパッドの精度も高く、カーソル操作にストレスを感じることはなかった。


ExpertBook P3のインターフェース構成は実用的だ。左側に主要なポートが集約されており、右利きユーザーのマウス操作を邪魔しない設計になっている。
搭載ポートは、USB Type-A (3.2 Gen1) ×2、USB Type-C (3.2 Gen2/PD対応) ×2、HDMI、RJ45 (有線LAN) ポート。Type-Cポートで本体を充電できるため、わざわざ専用のACアダプタを持ち歩かなくても良いのは移動が多いユーザーには嬉しい仕様だ。

また、昨今有線LANを備えるノートPCは減少傾向にあるが、ExpertBook P3はしっかり完備しており、社内ネットワークで安定した通信を求める法人ユーザーには嬉しいポイントだ。

高性能CPUと32GBメモリで、複数アプリの同時起動も余裕

CPUには第13世代インテル Core i7-13620Hを搭載。最大6つのPコアと4つのEコアを備え、業務アプリやブラウザタブを複数開いた状態でも動作がもたつくことはほとんどない。レビュー機は32GBメモリを搭載したモデルで、仮想会議ツールやExcel、PowerPoint、ブラウザを同時に立ち上げてもスムーズに動作した。

GPU性能を必要とするクリエイティブ用途にはやや物足りないが、ビジネスユースとしては十分以上。特に、CPUパフォーマンスと冷却のバランスが取れている点は印象的だった。

ストレージには512GB SSD (PCIe 4.0 x4 NVMe) を搭載。処理速度は高速で、重い資料ファイルや複数のアプリを扱う業務でもテンポを崩さない。

本機にはASUS独自の「ExpertCool冷却機構」が搭載されており、作業中はもちろん、画面を閉じた状態でも冷却が継続する設計になっている。
ASUSはコンシューマー向けでも冷却性能に力を入れているモデルが多く、その特徴が法人向けモデルにも引き継がれていると捉えることもできるだろう。ビジネス用途での使用となると、PCを1日中使い続けることがほとんど。発熱をうまくコントロールできるかどうかが、生産性を左右するポイントになる。
実際に電源に接続した状態でRAW写真の編集・書き出し作業を行っても、底面の熱は控えめで、ファン音も静か。長時間の連続使用時でもパフォーマンスの低下を感じなかった。法人向けノートとして、この安定性は大きな魅力だと言えるのではないだろうか。
会議を支えるAI機能。ノイズキャンセリングとExpertMeet

AI機能の中でも注目したいのが「ASUS AI ExpertMeet」と「AIノイズキャンセリング」だ。
AI ExpertMeetは、オンライン会議時に便利に使えるツールで、名刺をウォーターマークとしてビデオ会議で表示したり、画面共有時にウォーターマークを表示し、プロトタイプの共有時などに相手にスクリーンショットを撮影されたとしても出所を明確にできる。
海外とのオンライン通話においては、AI翻訳字幕が便利。現時点では簡体字中国語、繁体字中国語、英語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、スペイン語、ポルトガル語、日本語を含む最大8ヶ国語に対応している。


会議の内容は音声ファイルとして保存されていて、会議終了後には各発言者の発言記録を音声からテキストに変換してくれる。AI ExpertMeet側で重要なポイントを要約して議事録も作ってくれるため、ユーザー側で議事録を作る手間も不要だ。
オンライン会議時には、ユーザー側と相手側の音声ノイズをAIノイズキャンセリングによって抑制できるほか、背景も消してくれるため、リモートワークなどで不要な背景が映り込むことも心配せずに済む。
まとめ:ビジネス利用に耐えられる堅牢性や便利機能のおかげで1日中快適に作業できる

AIアシスタントやAIノイズキャンセリングといった機能を標準で備え、堅牢性・冷却性能・拡張性のバランスを高いレベルでまとめたASUS ExpertBook P3。
コンシューマー製品のような華やかさはないが、毎日の業務を確実に支える“働く人のための道具”としての完成度は高い。安定したミドルレンジノートを求めるビジネスユーザーには、有力な選択肢になってくれるだろう。
ASUS ExpertBook P3は、ASUSのオンラインストアで購入可能だ。なお、法人向けモデルとはいえ、一般ユーザーであっても普通に購入することができるため、個人所有のPCを会社で使える方や個人事業主の方などで、本機に魅力を感じた場合はぜひ購入を検討してみていただきたい。
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