OpenAI、次世代AIモデル「GPT-5」を正式リリース。ChatGPT全ユーザーに展開

OpenAIは7日(米国時間)、対話型AI「ChatGPT」における新たな基盤モデル「GPT-5」の提供を開始した。今回のアップデートは、GPT-4からのメジャーアップグレードとなり、すべてのChatGPTユーザーに順次適用される。

GPT-5は、OpenAIが「これまでで最も能力の高いモデル」と位置づける新モデルで、無料プランのユーザーでも利用可能。ただし、使用量に応じて軽量版に自動的に切り替わる仕組みが採用されている。

同社によると、GPT-5では推論力、創造性、対話の一貫性、安全性が大幅に向上した。特に、複雑なタスクに対する正確な対応や、より自然な会話の実現、高度なコーディング能力などが強化されたとしている。サム・アルトマンCEOは発表に際し、「GPT-5は、GPT-4が大学生レベルだったとすれば、博士号を持つ専門家のような性能を持っている」と述べている。

GPT-5は、内部的には複数のモデルで構成されているが、ユーザー側には単一の「GPT-5」として提供される。プロンプトに応じて、最適なバリエーションが自動的に選択される仕組みとなっており、モデルの切り替えを意識する必要はない。

ChatGPTの利用プランごとの対応は以下のとおり。

  • 無料プランではGPT-5にアクセス可能だが、使用量に応じて自動的に「GPT-5 mini」に切り替わる
  • 月額20ドルの「Plus」プランでは、より安定してGPT-5を利用可能
  • 月額200ドルの「Pro」プランでは、GPT-5の全モデルに無制限でアクセスできるほか、Google CalendarやGmailなどとの統合機能も利用できる

今回のアップデートでは、チャットの会話スタイルを「Listener」「Robot」「Cynic」などから選べる新機能も導入された。また、音声モードでは話し方やトーンの調整が可能となり、より自然な音声対話が可能になっている。

開発者向けには、関数呼び出しの自由度を高めた「free-form function calling」や、最大256Kトークンまでの文脈保持などの新機能も追加された。API提供も予定されており、業務システムや独自アプリへの組み込みも見込まれる。

なお、OpenAIはGPT-5を「汎用人工知能(AGI)」とは位置づけておらず、「連続学習などの機能はまだ実装されていない」としている。一方で、医療や法律分野における高精度な助言、長時間対話の一貫性維持、マルチモーダル処理能力の向上など、実用面での性能は過去モデルを大きく上回っている。

OpenAIは今後、GPT-5をさらに強化し、音声・視覚機能を統合したフルバージョンの展開や、より長期的な学習能力の開発も視野に入れている。

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(画像:OpenAI)

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