Adobe CCが値上げ。プランのラインナップは「Pro」 と廉価版 「Standard」 の2本立てに

アドビが、サブスクリプションサービス「Adobe Creative Cloud」の個人向けプランを2025年8月1日から改定する。従来の「コンプリートプラン」は「Creative Cloud Pro」へ名称変更されるとともに、月額7,780円から9,080円へと約17%の値上げとなる。

  • Adobe Creative Cloud コンプリート (個人版) → Adobe Creative Cloud Pro (個人版)
  • Adobe Creative Cloud コンプリート (学生・教職員版) → Adobe Creative Cloud Pro (学生・教職員版)
  • Adobe Creative Cloud コンプリート (グループ版) → Adobe Creative Cloud Pro (グループ版)

▼ 個人版 Creative CloudコンプリートプランとCreative Cloud Proの比較

支払い方式Creative Cloudコンプリートプラン
(旧価格)
Creative Cloud Pro
(新価格)
差額
月々プラン12,380円/月14,480円/月2,100円増
年間契約 (月々払い)7,780円/月9,080円/月1,300円増
年間プラン (一括払い)86,880円/年102,960円/年16,080円増

一方で、機能を絞った廉価プラン「Creative Cloud Standard」も新設され、月額6,480円で提供される。

▼ Creative CloudコンプリートプランとCreative Cloud Standardの比較

支払い方式Creative Cloudコンプリートプラン
(旧価格)
Creative Cloud Standard
(新設プラン)
差額
月々プラン12,380円/月10,280円/月2,100円減
年間契約 (月々払い)7,780円/月6,480円/月1,300円減
年間プラン (一括払い)86,880円/年72,336円/年14,544円減
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Adobe Creative Cloudのラインアップが「Pro」と「Standard」の2本立てに

Firefly Image Model 4 Ultraで作成

まず、Adobe Creative Cloudのラインアップは、今後「Creative Cloud Pro」と「Creative Cloud Standard」の2本のプランが用意されることになる。

このうち「Creative Cloud Pro」では、PhotoshopやIllustrator、Premiere Proといった定番のクリエイティブツールに加えて、AI関連機能が利用できる。8月のアップデートで機能も追加される予定だ。

たとえば、Premiere ProではAIを使って映像の続きを自動生成できる「生成延長」など、いわゆる「プレミアム生成機能」が利用可能になり、従来の月1,000クレジットから4,000クレジットへと供給量も増える。

Fireflyでは、アドビ独自モデルに加えて、Google Imagen 3やVeo 2、Flux 1.1 Proといったサードパーティ製の画像生成AIモデルにも対応。さらに、パブリックβとして提供中の「Fireflyボード」によって、アイデアの可視化や共有も容易になる。

一方、「Creative Cloud Standard」では、デスクトップ版のPhotoshopやIllustratorは利用可能だが、モバイル版やWeb版には制限がかかる。IllustratorのiPad版やPhotoshopのWeb版は非対応となり、スマホ/タブレット版Photoshopも基本機能の利用のみに限定される。

AI機能にも明確な差がある。Proであれば生成AI機能が無制限で使えるが、Standardでは月25クレジットに制限され、「生成塗りつぶし」など一部機能しか使えない。さらに、Fireflyでサードパーティ製AIの使用もできない。

プラン名Creative Cloud StandardCreative Cloud Pro
デスクトップアプリ
Photoshop、Illustrator、InDesign、Premiere、Acrobatなど20種類以上のアプリ
モバイルおよびwebクリエイティブアプリiPad版/iPhone版「Photoshop」は基本機能のみ。WEB版「Photoshop」やiPad版「Illustrator」は利用不可など制限あり (詳細は別の表を参照)フルアクセス
標準の生成機能
Photoshopの生成塗りつぶしなどの機能を使用して画像やベクターを生成
25クレジット/月無制限
プレミアム生成機能
Fireflyのテキストから動画生成や音声を翻訳、Premiere Proの生成延長などの機能を使用して、ビデオとオーディオを生成
4,000クレジット/月で、5秒の動画を最大40本生成、または最大14分の動画と音声を翻訳
Firefly ボード (beta)
Firefly ボード (beta) で複数のコンセプトボードを作成可能
アドビ以外の生成AIモデルを使用する選択肢
OpenAI GPT、Google Imagen、Veo、Fluxなどを含む
クラウドストレージ
Creative Cloudドキュメント、Lightroomの写真とビデオ、Adobe Expressファイル、その他を含む
100GB100GB
より大きなストレージプランのオプション
料金【個人版】
・月々プラン:10,280円/月
・年間契約 (月々払い):6,480円/月
・年間プラン (一括払い):
72,336円/月

※学生・教職員版、グループ版はなし
【個人版】
・月々プラン:14,480円/月
・年間契約 (月々払い):9,080円/月
・年間プラン (一括払い):102,960円/年


【学生・教職員版】
・年間契約 (月々払い):4,180円/月
・年間契約 (一括払い):50,160円/年

【グループ版】
・年間契約 (月々払い):11,990円/月
・年間契約 (一括払い):143,880円/年

「Creative Cloud Standard」で利用できるモバイル機能などの詳細は以下。

アプリ名Creative Cloud StandardCreative Cloud Pro
Acrobat
Adobe Express
Adobe Fresco
Adobe Podcast
Illustrator web (Beta)
Photoshop Express
Premiere Rush
Adobe Firefly標準の生成機能
Lightroom モバイル版基本機能
Photoshop iPad版基本機能
Photoshop iPhone版基本機能
Photoshop web版
Illustrator iPad版
Lightroom web ギャラリー
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既存ユーザーは「Pro」に自動移行。AI機能を使わないなら「Standard」でコストダウンも可

8月1日以降、現在のコンプリートプラン利用者は自動的にCreative Cloud Proへ移行され、次の更新タイミングで新価格が適用される。つまり、生成AIなどの新機能を活用するには値上げを受け入れる必要があるということだ。

一方で、生成AIを活用しないユーザーにとっては、月額1,300円のコストダウンにつながるStandardへ切り替えることも可能だ。とはいえ、StandardではProに比べてアクセスできる機能が大きく制限されており、用途によっては制作効率に影響が出る可能性もある点には注意が必要だ。

今回のプラン改定は6月に北米で先行して実施されており、今後グローバルに順次適用される見込み。生成AI機能を前面に押し出した今回のアップデートを踏まえると、より高度なツールとAI機能を使いたいならPro、必要最低限でいいならStandardを選ぶのが良さそうだ。

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(画像:アドビ)

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