
台湾・台北で開催された世界最大級のIT展示会「COMPUTEX 2025」に合わせて、ASUSはプレス向け発表会「ASUS&ROG Media Day」を実施した。
数多くの新製品が登場するなか、ひときわ注目を集めたのが、ROG(Republic of Gamers)ブランド初となる左右分割型エルゴノミクスゲーミングキーボード「ROG FALCATA」だ。ゲーマーの操作性と快適性を追求したこの革新的な製品は、ASUSの技術力とデザイン哲学が結実した一台として強い存在感を放っていた。
75%レイアウト&分離構造&ラピドリ。ROGの尖った一台が発売へ



ROG FALCATAは、近年のゲーミングキーボードにおけるエルゴノミクスの潮流をさらに一歩先へと進めた意欲的な製品だ。左右分割型の設計を採用することで、ユーザーは肩幅に応じた自然な入力姿勢を取ることができ、長時間のゲームプレイや作業でも快適さを維持できる。
本体はコンパクトな75%レイアウトを採用し、テンキーや一部ファンクションキーを省略しつつも、ゲームに必要な操作性をしっかり確保している。


左右ユニットは物理的な接合方式を採用しており、確実に安定した連結が可能だ。また、左ユニットだけでの単独使用にも対応しており、省スペース環境でも柔軟に運用できる点は大きな特徴と言える。
この仕組みは、ゲームシーンにおいて役立つ場面がある。たとえば、左ユニットだけを置き、右側にはゲーミングマウスを置くことで狭小なデスクでも快適なゲーミング環境を整えることが可能だ。

最大の特徴は、ASUSが新たに開発した磁気スイッチ「ROG HFX V2 Magnetic Switch」を採用している点にある。ホールセンサー方式のリニアスイッチで、キーストロークは3.5mm、押下圧は32gf。アクチュエーションポイントは0.01mm単位で調整可能となっており、より繊細かつ俊敏な入力が可能だ。ラピッドトリガーやホットスワップにも対応しており、プロゲーマーの厳しい要求にも応える設計となっている。

キーキャップには高耐久のPBT素材を使用。タイピング時の打鍵感にもこだわり、内部にはシリコンフォーム、ポロンスイッチパッド、ポロンダンピングフォーム、シリコンパッドの4層構造を採用。入力音や衝撃を抑え、静音性と快適性を両立している。

リストレストは六角レンチによる着脱式。磁気スイッチに影響を与えないよう配慮された設計となっている。さらに底面のスタンドを交換することで、角度調整が可能。とくに親指側を高く設定できるなど、分割型ならではの細かなカスタマイズが可能だ。
接続性の面でも抜かりはない。USB有線接続では8,000Hzの超高ポーリングレートに対応。加えて、ASUS独自の低遅延ワイヤレス技術「ROG SpeedNova」による2.4GHz接続、Bluetooth接続も可能で、Bluetoothでは最大5台までのマルチデバイス接続に対応する。バッテリー駆動時は最大610時間の連続使用が可能で、長時間のゲームプレイやクリエイティブ作業にも安心だ。


左側面にはプログラム可能な多機能ダイヤルを搭載し、上部のROGボタンでダイヤル機能の切り替えも行える。加えて、ASUSのクラウドベース設定ポータル「Gear Link」を通じて、ライティングやキーバインド、プロファイル設定をオンライン上に保存・呼び出し可能。競技用モード「Zone Mode」ではRGBライティングを無効化し、キーマトリクスを最適化することで安定した入力精度を実現している。
グローバルにおける本製品の発売時期は6月上旬を予定。価格はまだアナウンスされていない。なお、気になるのは国内展開の有無だが、ASUS JAPANによると同製品の国内発売は決定しているものの、現時点では発売時期や価格は未定とのこと。報道陣のなかでも大きな注目が集まった製品だったことから、今後の続報に期待したい。
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(取材協力:ASUS)