1月14日、note株式会社はGoogleと資本業務提携を締結したと発表した。
この資本業務提携を通じて、note株式会社はGoogleに対して第三者割当増資 (普通株式984,200株) を行い約5億円を調達する。発行価額は1株につき508円、具体的な資金調達額は489,973,600円。
資本業務提携によって得た資金は、note株式会社が所有する手元資金とあわせて既存事業の強化 (プロダクト開発や人材採用等) に充当するほか、生成AI技術を活用した新たな取組みの推進に使用する。
まずは、Googleの提供する生成AIモデル 「Gemini」 を活用したクリエイター向けの創作活動支援ツールや、企業向けの炎上防止ツールを、「note」 内で2025年2月以降に順次提供する計画だという。
noteとGoogleが資本業務提携を締結。クリエイター向けの創作活動支援ツールなど順次提供へ
クリエイター向けの創作活動支援ツールは、noteの記事編集画面からGeminiが利用できるようになる予定。アイデアを膨らませたいときや、文章をキレイにまとめたいとき、より良い表現を見つけたいとき、さらには文章の構成や校閲などに使用することが可能だ。
企業向けの炎上防止ツールは、これまで法人向けに提供してきた高機能プラン 「note pro」 をさらに強化するものになる。たとえば、従来から提供している 「リスクのある投稿を事前にチェックして注意喚起する機能」 を、GoogleのGeminiを利用することでより高度にリスクを検知できるようになるという。
また、コンテンツ分類やリコメンドの技術にもGeminiの高度な自然言語理解能力を活用できるようになったり、将来的にはnote株式会社の子会社note AI creative株式会社を通じて、外部サービスへの有償提供も検討しているという。
「note」 は、日本のスタートアップ企業であるnote株式会社が提供する、ブログやメモを簡単に書けるメディアプラットフォームで、すでにクリエイターをはじめ多くのユーザーに利用されている。
noteはAI技術のニーズの高まりを受け、2014年のサービス開始当初から、読者に最適なコンテンツを提案するレコメンド機能や、プラットフォームを健全に保つための記事・画像分類パトロール作業などのAI機能を提供開始。
さらに、2022年11月にチャット型AI 「ChatGPT」 が公開されてから、生成AIを搭載したクリエイター向け創作機能 「note AIアシスタント (β)」 の提供を開始するなど、いち早くAI技術を導入してきた。2023年11月には、既存サービスの強化だけでなく、AI技術の外部へのサービス提供を視野に入れた新会社note AI creative株式会社を立ち上げるなど、AI技術の研究開発を積極的に行っている。
今回のGoogleとの資本業務提携は、noteにとってAI技術のさらなる強化や国内外市場における競争力を高める一歩となるほか、収益構造の多様化にも繋げられる可能性がありそうだ。
(画像:note株式会社)