昨年10月に発売した 「Meta Quest 3」 は、現実世界にバーチャル要素を融合できる 「MR (複合現実)」 を手頃な価格で体験できる新型MRヘッドセットだ。
「Meta Quest 3」 のプレイエリアは2m × 2m。Metaは 「四畳半の空間さえあれば手軽にMR体験ができる」 と紹介し、今年6〜7月には、実際に四畳半のスペースで 「Meta Quest 3」 を使ったMR体験ができるポップアップデモイベント 「四畳半MIYASHITA PARK by Meta Quest 3」 を渋谷のMIYASHITA PARKで開催している。
この 「四畳半」 というキーワードに関連して、Metaは 「日本の住宅のような狭い居住空間でも存分にMR体験が楽しめる」 ことをアピールするシミュレーション体験会 「MR HOUSE」 をプレス向けに開催。筆者も同イベントに参加し、伝統的な日本家屋の中で最新のMR体験をするという貴重な体験をすることができたので、そのレポートをお届けする。
日本の手狭な住宅環境の中でも様々なMR体験ができる 「Meta Quest 3」
今回イベントの会場となったのは、高輪ゲートウェイ駅から徒歩5分ほどの場所にある 「Araiya Tokyo」 。築50年の木造造りのこの建物は、以前はお米屋さんとして使われていたというが、現在は改装を経て、一軒家ホテルとして利用されている。
田舎のおじいちゃん・おばあちゃんの家に遊びに来たような、どこか懐かしさも感じる佇まいの建物で、「Meta Quest 3」 のMR機能を日常生活に即しながら体験することができた。
まずは玄関で『もっと!ねこあつめ』をプレイ。「Meta Quest 3」 のパススルー映像はフルカラーのため、現実の玄関にかわいい猫ちゃんが遊びに来たような感覚。猫じゃらしを使って一緒に遊んだり、猫ちゃんを抱っこしたりなど、短いながらも癒しのひとときを過ごすことができた。
階段を登った先の2階では、空間ビデオやパノラマ写真を空間上の大画面で楽しんだり、実物大のバーチャル家具を実際の部屋に置いてインテリアを考えることができる『Joyverse』を体験できたほか、空間上に仮想ディスプレイを構築してPC作業ができる『Immersed』を体験することができた。
『Immersed』は、外部ディスプレイや各種ケーブルなどを用意することなく、マルチディスプレイ環境を構築できる便利アプリ。無課金でも最大3つのディスプレイに映像を映し出すことができ、ディスプレイの位置やサイズは自由に変更できるため、たとえ狭い空間であっても快適なPC環境を構築できる。
さらに、これらの画面は自分だけが見ることができるため、出先で社外秘の資料を編集しても他人に画面を覗かれる心配がない。セキュリティ面も安心だ。
最後に体験したのが、フィットネスアプリ『Les Mills Body Combat』だ。家の壁の先にトレーナーが現れ、リズムに合わせてパンチを繰り出すフィットネス体験ができる。「Meta Quest 3」 はオールインワンのヘッドセットでケーブルがないため、思いっきり動き回ることができる。
わずか5分ほどのフィットネスだったが、パンチの動きはもちろんながら、バーのような障害物を避けるために何度もしゃがんでは立ってを繰り返した結果、帰り道で腕や足がプルプルしてしまうほどしっかりと運動することができた。
今回のイベントは、日本家屋らしい手狭な空間での体験だったが、いずれも体験中に物理的な部屋の狭さを感じることはほとんどなく、空間を使って広々と体験ができたように思う。
もし自宅の狭さなどプレイエリアが確保できないことを理由に 「Meta Quest 3」 の購入を渋っている人がいるなら、改めて自宅を見回してみてほしい。家具をちょっぴり移動させるだけで、どうにか四畳半ほどのスペースを作ることはできないだろうか。その四畳半のスペースで、MRでもVRでもどんな体験もできてしまうのが 「Meta Quest 3」 だ。
海外ドラマ (特にアメリカを舞台にしたもの) でよく見る大きな家や部屋はMR体験をする上で必須ではない。今回の 「Araiya Tokyo」 のような古い作りの家でもこれだけの体験ができたなら、きっとあなたの家でも無限大のアクティビティが楽しめるはずだ。