スーパーアプリ化を目指すX (旧:Twitter) にとって、2023年は基盤を築く年になったというが、2024年は変革の年になるという。その変革のひとつが、金融分野への注力だ。
Xは現地時間1月9日、同サービスの今後1年のロードマップを公開。2024年に個人間送金機能を提供開始すると発表した。
Transforming the Global Town Square | X Blog
より具体的な提供開始時期や利用方法、提供地域については明かされていないが、Xは同サービス展開のため、米国14州で支払いに関連するライセンスを取得している。
Xは、この個人間送金機能をクリエイターの収益分配や、オンラインショッピングなどXで提供されている機能と連携させることを検討しているようだ。
これにより、小規模なクリエイターたちがTwitter上で何かを販売することが可能になるかもしれない。また、Twitter上で繋がっているコミュニティで何かイベントを企画する際、簡単にお金を集められるなど良い面もあるだろう。
一方で、Twitter時代にプラットフォーム内で一時蔓延った 「お金配り」 が再び復活する可能性もありそうだ。札束を撮影した写真を投稿しフォロワーを増やすことを目的とした詐欺アカウントや、もっとタチが悪いのが札束をちらつかせて 「応募」 という名の個人情報収集を行い、それを販売するアカウントが増えるきっかけにもなりかねない。
また、マネーロンダリングに対する懸念もユーザーから挙がっている。金融関連法は国によって大きく異なることから、実際に提供できる地域は限られるかもしれないが、インプレッションを稼ぐことで広告収入を得ようとするユーザーが爆増したXプラットフォームがこの個人間送金機能の導入によって、さらに 「お金」 にまつわるネガティブな話題をふたたび生み出す可能性は大いにありそうだ。Xには、個人間送金機能がユーザーにどのように利用されるのか、じっくり熟慮したうえで導入して欲しいところ。
なお、今回Xが示した今後1年のロードマップは以下。
- AIを通じて検索の向上や広告の改善、顧客理解を促進。
- ピア・ツー・ピアの支払いを開始。
- 「似たような投稿を見る」 機能で、より関連性の高いコンテンツを提供。「似ていない投稿を見る」 では、過去の活動に基づいて、自分に合ったコンテンツを検索できるように。
- クリエイターやコンテンツパートナーシップへの投資を継続。
- ビデオ、パフォーマンス、ブランドセーフティの3つの主要要素を通じて、フルファネル広告の提供を強化。
- Integral Ad Scienceとの提携により、多くのブランドセーフティの機能と検証を提供。
- 独自コンテンツを増やし、X内で活発な人々の才能を引き入れていく。
また、Xプラットフォームにおけるアナリティクス情報として、以下の情報を提供している。
- Xのコミュニティノートを作成する人たちは、65カ国で32万人。作られたコミュニティノートは平均で1日5000万回以上閲覧されている。
- Xは、いまや動画中心のプラットフォームとなっていて、ユーザーセッションの8割で動画が視聴されている。
- イマーシブビデオという新しいコンテンツが登場し、毎日1億人以上のユーザーが利用してい流。その半分以上がZ世代であり、最も急成長しているXの視聴者層であるとのこと。
- Xは昨年、新たに音声通話・ビデオ通話などの新機能を提供開始。これらの機能を利用した通話は平均10分。
- 求人掲載機能 「X Hiring」 の導入により、6か月で750,000件の雇用が生まれた。
(画像:X)