楽天グループは14日、2022年12月期の連結決算を発表した。
インターネットサービス、フィンテック、モバイルの全セグメントで増収となり、通期連結売上収益は2桁増収で過去最高となる1.9兆円 (前年比14.6%増) を計上した。
一方で、最終損益は3728億円の赤字 (前期は1338億円の赤字)となり、4期連続の最終赤字となった。3728億円の最終赤字は、楽天グループにおいて過去最大の数字となる。
楽天グループ、2022年12月期の連結決算を発表
楽天グループは、ECなどのインターネットサービスおよびフィンテックが好調を維持している。インターネットサービスセグメントの2022年度の売上は1兆859億円 (前年比8.7%増)。
また、国内ECの通期Non-GAAP営業利益は、956億円(前年比36.6%増)と大幅に増加。2022年度の国内EC流通総額は、コロナ禍一巡後も前年比12.3%増の5.6兆円を達成している。
さらに、楽天トラベルの国内宿泊流通総額においてはコロナ感染拡大前の2019年比で2桁成長となり好調。楽天のファッション事業についても2022年度流通総額は1兆円を突破した。
米国のキャッシュバックサービス「Rakuten Rewards」は、マーケティング施策の奏功や消費行動の継続的な加速により、売上収益が前年比13.3%増の991百万ドル、Non-GAAP営業利益は前年比12.0%増の63百万ドルとなり増収増益を達成している。
フィンテックセグメントにおける2022年度の売上収益は6,634億円(前年比7.2%増)、Non-GAAP営業利益は987億円(前年比10.8%増)で増収増益。
そして楽天カードの発行枚数は2022年12月に2,808万枚となり、楽天銀行は単体口座数1,339万口座を突破した。楽天証券は総合証券口座数864万口座になり、顧客基盤が堅調に拡大(2022年12月末時点)している。
これらECとフィンテック事業は好調を維持しているが、一方で問題となっているのがモバイル事業。セグメント全体で2022年度の売上収益は3,687億円(前年比62.0%増)と増収となったものの、営業損失は4,928億円を計上した。基地局整備やエリア外の通信を提供するための他社回線利用によるコスト増加が響いた形。
通信料金を1年間無料とするキャンペーン期間を終了したことでユーザー数の減少が続いていたが、代わりに既存ユーザーが100%課金ユーザーになったこと、新プラン「Rakuten UN-LIMIT VII」への移行により1ユーザーあたりの平均売上が上昇。さらに、楽天回線エリア拡大に伴うローミング費用削減などで2022年度第1四半期をピークに、引き続き営業損失は逓減傾向にあると楽天は説明する。
4G屋外基地局数は52,003局に到達(2022年12月末時点)。2023年度中には60,000局開設を目指す。また、屋外5G基地局開設数(屋外Sub6マクロ基地局)も全国で7,058局に増加。
2023年1月30日からは法人向け携帯キャリアサービス「楽天モバイル法人プラン」を本格始動。すでに600超の顧客に提供しており、今後は法人契約の増加を見込んでいる。
関連記事
・楽天モバイル、法人プランを本格提供開始。3GB/月額2,178円から
・楽天モバイル、iPhone 14 Pro/14 Pro Maxを最大22,900円値下げ。回線セットで最大24,000ポイント還元