個性的なトランスルーセントのボディや、独自のLEDイルミネーション 「Glyph Interface」 など、世界的に注目を浴びたスマホ 「Nothing Phone (1)」 。
同製品の後継モデルとなる 「Nothing Phone (2)」 は、今年後半にも投入される予定のようだ。
米メディアInverseは現地時間30日、英Nothing Technologyのカール・ペイ氏に実施したインタビューを掲載。同インタビューのなかで次期モデル 「Phone (2)」 に関する発言が掲載されている。
カール・ペイ氏は、「Phone (2)」 がどのような製品になるのか言及はしていないものの、現行製品の 「Phone (1)」 をよりプレミアムなものにした製品になると明らかにした。リリース時期は2023年後半になるという。
また、今回は米国市場での販売を最優先する予定とのこと。世界的に注目を集めた製品でありながら、「Phone (1)」 は米国市場で展開されていなかった。
米国市場への展開ができなかった理由として、カール・ペイ氏は開発リソースが足りなかったと説明する。米国でスマートフォンを販売するには通信キャリアの認証や通信事業者向け機能の一部をOSに取り込む必要があるなど様々な作業が必要で、「Phone (1)」 の開発当初はこれを米国向けに実施することができなったという。
しかし、2021年に200人だった従業員は2022年には400人に倍増。次期スマートフォンでは米国向けの販売体制が整う予定だ。
カール・ペイ氏は、米国市場の旺盛な消費者に対して強い期待を抱いているようだ。同社のイヤホンの売上の1/3は米国のユーザーから来ていることを例に出し、スマートフォンを米国で販売しないということは1/3の売り上げをみすみす逃すことになる、と説明した。
また、「Phone (1)」 などの製品を販売し、Nothingの製品には需要があることを証明することができたこと。そして影響力を持ったことにより、当初断られていた部品メーカーや生産工場ともより対等に交渉できるようになったことも後押しとなっているようだ。
カール・ペイ氏は 「Phone (2)」 がプレミアムな製品になるとした一方で、”フラグシップ” という言葉を使うのは避けたいようだ。理由は、Nothingの 「Phone (1)」 にかける思いの大きさという点でフラッグシップ的存在であったから。“プレミアム” は、フラグシップであり、かつステップアップした製品であることの表現のようだ。
Nothingはソフトウェア開発にも力を入れる。「Phone (1)」 の開発をはじめた頃は、わずか5名のエンジニアしかいなかったため、多くのエンジニアリング作業を他社に外注していた。しかし、その後100名のエンジニアチームに拡大したことで最新のOSベータ版はすべて内製に切り替えられているという。今後、どんな機能が搭載されていくのか楽しみなところ。
なお、Nothingは直営店の拡大も視野に入れているようだ。昨年12月にロンドンのSOHOに設置した直営店は好評だったことから、今後は米国や世界中に(無理なく)展開することも考えている。今後不況などで計画に影響が出る可能性があるかもしれないが、一方で不景気で貴重な物件を安く得ることができるかもしれないと、カール・ペイ氏は楽観的に語っている。
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