現地時間10月27日、Appleは2022年第4四半期 (2022年7~9月期) の決算発表を行った。
同四半期の売上高は901億4600万ドル (約13兆1900万円) で、前年同期比2%増。純利益は207億2100万ドルで前年同期比8%増。1株あたり利益は1.29ドル。
参考情報として、昨年同期 (2021年第4四半期) は売上833億6000万ドル、純利益は205億5100万ドルだった。増益は2四半期ぶりということになる。
底堅さを見せた今期決算。iPhoneの売上は前年同期比10%増
各製品の売上高、会社全体の売上高・純利益 (および増減) は以下表のとおり。
総売上高 | 901億4600万ドル ( +8% ) |
---|---|
純利益 | 207億2100万ドル ( +0.8% ) |
売上高 | |
---|---|
iPhone | 426億2600万ドル ( +10% ) |
Mac | 115億800万ドル ( +25% ) |
iPad | 71億7400ドル ( -13% ) |
Wearable & Home | 96億5000万ドル ( +10% ) |
Service | 191億8800万ドル ( +5% ) |
今期の決算は、Appleの主力製品であるiPhoneの最新モデル 「iPhone 14」 シリーズが販売されてから初めて迎える決算ということもあり、世界的に大きな注目を集めた。
iPhoneシリーズの売上高は、前年同期比10%増となる426億2600万ドル。数字上は昨年のiPhone 13シリーズよりも良い数字が出ていることになるが、これは下位機種 「iPhone 14」 よりも上位機種である 「iPhone 14 Pro」 の販売が好調であること、そして 「iPhone 14」 シリーズ全体の販売が例年に比べて1週間早められたことも影響しているとみられる。
また、Macは前年同期比で25%増となる115億800万ドルに。Apple Watchを含むウェアラブルは10%増となる96億5000万ドルとなった。
一方でiPadは13%減となる71億7400ドルとやや不調気味だが、今期に入ってから新型iPadを発売していることから、次回の決算では上向くだろう。
地域 | 売上高 |
---|---|
アメリカ | 398億800万ドル ( +8% ) |
ヨーロッパ | 227億9500万ドル ( +10% ) |
中国 | 154億7000万ドル ( +6% ) |
日本 | 57億0000万ドル ( -5% ) |
アジア太平洋地域 | 63億7300万ドル ( +23% ) |
地域別の売上高では米・欧で8〜10%増となり、中国では6%増、アジア太平洋地域で23%増となっている。欧州についてはウクライナ侵攻の影響が懸念されていたが、好調を維持している。一方で、日本市場は売上が減少する状況が続いている。
今回の決算は、米国の高騰するインフレや個人消費の減速がAppleの決算に与えた影響にも注目が集まっていた。
実際には市場予測を上回る形となったものの、「iPhone 14」 が例年よりも早く発売していることなどを考慮すると、昨今のテック不況を回避するような期待感のもてる決算とはならなかった。高インフレや個人消費の低迷による影響を今後も受ける可能性があり、注視が必要だ。
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