楽天モバイル代表取締役副社長 矢澤 俊介氏
10月22日、楽天モバイルは報道関係者向けに、楽天モバイルのエリア展開に関する説明会を開催。
現在の基地局の設置状況や、10月に実施されたローミングサービスから自社回線への切り替えの影響などについて、楽天モバイル代表取締役副社長の矢澤 俊介氏が詳細を説明した。
楽天モバイルのエリア展開に関して最新情報が発表
今回の説明会では、まずは楽天モバイルの基地局数と人口カバー率に関する最新情報が明かされた。矢澤副社長によると、9月時点での基地局数は約3万局で、人口カバー率は10月14日時点で94.3%。
当初、楽天モバイルは2021年夏に人口カバー率96%を実現することを目標としていたが、基地局の部品の納入が昨今の半導体不足の影響で遅れている関係で、約1万局の基地局が稼働できず、人口カバー率96%の実現は2022年春になる予定であるとのこと。
また、楽天モバイルは自社回線の整備が進んでいないエリアでは他社(au)回線によるローミングサービスを提供しているが、サービスの利用に応じてKDDI側に利用料を支払う必要があることから、自社通信が安定しているエリアから順次、自社回線への切り替えを進めている。
矢澤副社長によると、auとの取り決めにより、ローミングサービスのエリア切り替えは4月と10月の年2回と決められているという。今年10月には23都道府県と従来よりも大規模なエリアで回線への切り替えが行われたことにより、ユーザーからの問い合わせも一部あったが、その数は予想していたよりも少なかったとのこと。
地上での自社回線への切り替えとともに、地下や建物内での切り替えも進められている。10月1日以降、東京メトロでは約9割、都営地下鉄では約6割のエリアにおいてローミングサービスから自社回線への切り替えが行われているという。
電波が届きにくい屋内は、飲食店や小売店に 「Rakuten Casa」 と呼ばれる屋内専用の小型基地局を設置し、店舗を訪れたユーザーの電波を改善。屋外や窓際の電波を引き込み、屋内や地下における電波を増幅させる 「レピーター」 の展開も準備されており、2022年以降順次設置される予定だ。
ローミングサービスから楽天回線への切り替えが進むことにより、ユーザーにも大きな恩恵がある。たとえば両方の電波が混在する場所では、機種によっては楽天回線ではなくau回線をつかんでしまう場合があり、au回線での利用が5GB/月を超えてしまうと、通信速度が最大1Mbpsに制限されてしまう。これがすべて楽天回線になることで、ユーザーは常に楽天回線をつかめるようになる。
2018年、他社がすでに膨大な基地局を運用している中、ゼロから基地局やネットワークを構築した楽天モバイル。矢澤副社長は、楽天モバイルを日本一のキャリアにする上で、現在は 「山登りに例えたら3合目あたり」 であるという。「10合目にいる3社と比較すると、まだ努力が至らないところもあるが、全力でやっていく」 と説明会を締めくくった。
関連記事
・楽天モバイル、全国23道県において楽天自社回線に切り替え。パートナー回線を提供終了
・「AirPods(第3世代)」 楽天モバイルで10月26日(火)午前9時に発売