先日から、「A9チップの製造元によってバッテリーの持ちが違う」ことが話題になっている。「chipgate」とも呼ばれるこの問題に新たな検証結果が出た。
「A9」チップは台湾のTSMC社製と韓国のSamsung製の二つがあるのだが、どちらかというとTSMC製のチップの方がバッテリー駆動時間が長いという検証が出ている。
だが、cnbetaによると、「低電力モード」にした際はバッテリー駆動時間がさほど変わらないのだそうだ。
iOS 9から導入されている「低電力モード」は、iPhoneの動作(アニメーションや連携機能)を停止させることでバッテリーの持ちを良くする機能だ。これを設定することで長時間充電できない時やバッテリー残量が少ない時に長持ちさせることが出来る機能だ。設定方法は[設定]アプリ>[バッテリー]>[低電力モード]をオンにする。
検証方法
cnbetaはiPhone 6sを3台用意、低電力モードにしてバッテリー駆動時間を検証した。
[img via cnbeta]
写真のように、iPhone 6sを3つ並べてiPhoneを動作させ続けて、その駆動時間をタイマーで計測する。左から2つがSamsung製、右がTSMC製のA9を搭載しているものになる。
「低電力モード」ではどのiPhoneも駆動時間はほぼ同じ
結果はSamsung製が7時間24分と7時間30分に対して、TSMC製が7時間38分と「低電力モード」下でのバッテリー駆動時間はあまり差がないことが判明した。
[img via cnbeta]
上の画像で分かるように、クロック数がどれも近い数値が出ている。「A9」プロセッサーの動作周波数は通常1.85GHzなのが、Samsung製では907MHz、TSMC製が912MHzに下がるよう設定されている。
このクロック数がほぼ同じ数字になっているため、バッテリーの駆動時間も大差がないという検証結果になったようだ。
やはり「勝ち組」はTSMC製か
検証結果として言えることは「低電力モード」下での動作時間は変わらないか、若干TSMC製の方がバッテリー駆動時間が長いということだ。
この検証結果でもTSMC製の勝利ということは、Samsung製はバッテリーの駆動時間に関してTSMC製に勝てる要素はないということだろうか。
[via cnbeta]