知らないうちにHomePodのOSが、iOSベースからtvOSベースに移行していたようだ。先月25日、AppleはHomePod用ソフトウェア 「iOS 13.4」 を配信したが、同ソフトウェアへのアップデートをすることによってHomePodのソフトウェアはtvOSで駆動するように変更されている。米国のApple系メディア9to5Macが伝えた。
HomePodの内蔵ソフトウェアがtvOSベースに
まず先に言っておくと、HomePodの内蔵ソフトウェアが従来のiOSベースからtvOSベースに新たに移行したことで、ユーザーにとって何か変わるかというと、全くそんなことはない。
AirPlayや音楽の再生機能、Siriの応答などほぼすべての動作がこれまでどおり機能している。そもそもtvOSですらiOSの派生OSであるため、根本的に違うOSとは言えなかったりする。
しかし、OSがiOSベースからtvOSベースに変更されたことに伴い、内部では何個か細かい変化が起きている。
まずは消費電力の管理について。iOSはもともとiPhoneやiPadといったバッテリー内蔵型デバイスに向けて開発されたOSだが、対するtvOSはApple TVという据え置きデバイスに向けたOSだ。
ここで重要なのは、iOSはバッテリー消費を最少に抑える工夫(コードを削減するなどで実現)が凝らされているが、tvOSではそれは不要であるという点。Apple TVと同じく常に電源に接続されているHomePodは、バッテリー消費をギリギリまで削減する必要性は薄い。そういう意味ではiOSよりもtvOSの方がHomePodには合っているということなのだろう。iOSのようにソースコードを減らす努力をしなくて済むのは、Appleの開発リソースの節約につながる可能性が高い。
第2の理由として、iOSのサポートデバイスにHomePodがついていけない可能性がある。次期iOSこと 「iOS 14」 ではA8プロセッサ搭載デバイスがサポート対象外になることが予想されているが、実はHomePodにはこのA8プロセッサが搭載されている。
しかし、同じA8プロセッサを搭載する 「Apple TV (第4世代)」 についてはtvOSが引き続きサポートする予定であるため、もしiOSベースからtvOSにHomePodを移行できればApple TV (第4世代)と一緒にHomePodをサポート継続できる、そういう判断があったのかもしれない。
これらはあくまで9to5Macの予想に過ぎず、実際なぜAppleがHomePodのOSをiOSベースからtvOSに変更したのかは定かではないことに留意が必要だ。ちなみに9to5Macは同OS情報から、未発表のデバイスを新たに発見しており、詳細は不明ながらこれが2つの新型HomePodである可能性があると指摘している。ひとつは以前から噂されている小型HomePodである可能性がありそうだ。
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