2020年の次期フラグシップ型iPhoneは、やはりCOVID-19(新型コロナウイルス)の影響で発売が遅れてしまうようだ。Nikkei Asian Reviewは26日、Appleの内部事情に詳しい人物からの話として、Appleの上級幹部たちが今秋発売の次期iPhoneの発売を遅らせることを協議していると伝えた。
iPhone 12は発売が2021年にずれ込む可能性も
Appleが次期フラグシップiPhoneの発売を遅らせる理由は複数ある。
まずは、例年どおりのスケジュールで製造できないということ。Appleは各サプライヤーと協力して、3月上旬から新型iPhoneのプロトタイプを開発する計画だった。
しかし、中国におけるCOVID-19(新型コロナウイルス)の感染拡大に伴い、Appleは社員に対して中国への出張・旅行をやめるよう要請しており、依然としてサプライヤーとの協議が完了できていないとのこと。プロトタイプを作ることができなければ、当然ながらそのあとの製造工程に進むことはできない。
Appleは新型コロナウイルスの影響をなるべく減らすよう工夫しており、まだ2020年秋の発売を目指しているとのこと。ただし、それも新型コロナウイルスの影響が今後どれだけ長引くかが関係しそうだ。
実は製造スケジュール以外にも、AppleがiPhoneを遅らせる理由がある。それは、世界のユーザーの消費意欲が新型コロナウイルスの影響で減衰することへの懸念だ。
ご存知のとおり、新型コロナウイルスの猛威はいまや欧米各国に広がっており、国によっては外出禁止命令も出ている状態。各政府が国民に対して給付金を配布することを発表しているものの、経済の先行き不安が払拭されなければ新型iPhoneを購入しようと考える人が減る可能性がある。
2020年の次期iPhoneは5Gに対応した次世代モデルで、本来であればとても大きなインパクトを持つ製品にある。そんな強力な製品を、新型コロナウイルスの猛威の最中、発売することはAppleにとって良い戦略とは言えないかもしれない。
これらの理由から、Appleは新型iPhoneを遅らせる可能性がある。ちなみにNikkei Asian Reviewによれば、すでにAppleはサプライヤーに対して量産スケジュールを当初予定から数ヶ月遅らせるよう指示しているとの情報もあるようだ。当初は6月製造予定だったプリント回路基板も8月末までに製造することを要請しているという。
ただしこの通達は直近のものであるため、今後の状況によってはさらに製造スケジュールが後ろ倒しになる可能性もある点に注意が必要だ。ちなみにAppleは次期iPhoneの製造スケジュールに関する最終判断を遅くても5月末には下すとされているが、今後の世界情勢次第では発売が2021年にズレ込むことも指摘されている。
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