これまで毎年9月に新型iPhoneを発表してきたAppleだが、2021年からこの方針を転換する可能性があることがわかった。JP MorganのアナリストSamik Chatterjee氏の報告によると、Appleは新型iPhoneの発表を年2回に分けることを計画しているとのことだ。
新型iPhoneが年2回に分けて発表されることに?
Samik Chatterjee氏は投資家向けレポートの中で、Appleが年に2回、新型iPhoneを発表する計画であると伝えている。具体的には年の前半に2機種を、そして年後半に別の2機種を発表するとのこと。これまでの傾向を踏まえるとおそらく3月と9月にそれぞれの新型iPhoneが発表されることが考えられ、これが事実であれば、半年に一回新型iPhoneが発表されることになる。
もちろん、これは半年ごとにフラグシップモデルが新機種に置き換えられるという意味ではなく、フラグシップモデルと廉価モデルがそれぞれ別々に発表されるという意味だろう。
例えば今年9月、Appleは 「iPhone 11」 「iPhone 11 Pro」 「iPhone 11 Pro Max」 という3つの新型iPhoneを同時に発表したが、これを 「iPhone 11 Pro/11 Pro Max」 のようなハイエンドモデルのみ9月に発売し、「iPhone 11」 のような廉価モデルを3月に発売するといった形式に変えることができる。噂では、Appleは 「iPhone SE」 の後継機種を2020年3月に発売すると囁かれているが、実はiPhone SEの後継機種を毎年春にリリースし、フラグシップモデルを毎年秋に発売することを常態化するつもりなのかもしれない。
この方針転換、Appleにとってはそれなりに旨味がある。まずは販売の効率化。最新機種を買いたい方は秋のフラグシップモデルを迷わず購入するだろうし、そこまで高い性能をスマートフォンに必要としていない方は半年後に登場する廉価モデルを購入するだろう。こうなれば、Appleとしては需要予測を立てやすく、効率的にiPhoneを生産することができる。
また、秋のラインナップから廉価モデルが消えれば、iPhone 11やiPhone XRといったモデルに流れていたユーザーもフラグシップモデルを購入しようと考えるかもしれない。その結果、iPhoneの売上増につながる可能性もある。
次にリスクヘッジという側面。これまでAppleは米中貿易摩擦の影響を大きく受け、iPhoneの販売台数を減らした経緯がある。iPhoneの販売不振がApple側の問題だけならまだしも、外的な要因で売上が大きく左右してしまう現状はおそらくAppleとしても不本意だろう。新型iPhoneを発表する機会を2回に分けることによって、そのリスクを軽減することができるかもしれない。
Samik Chatterjee氏はあまりリークに関する実績があるわけではないため、今回の情報がどれほど正しいのかは未知数だが、来年3月にAppleがiPhone SEの後継機種を発売するという噂がある以上、方針転換の可能性はゼロとは言い切れないだろう。一時は販売不振が大きく取り糺されたApple。果たして戦略転換によってiPhoneの販売を増やすことができるのだろうか。
(追記) ちなみに、同アナリストは2020年に発表されるiPhoneについて予測している。同氏によると、Appleは2020年秋に4つの新型iPhoneを発売する予定で、ハイエンドモデルは6.1インチ/6.7インチの2機種。5G(ミリ波)に対応するほか3Dセンシングに対応したトリプルレンズカメラを搭載するとのこと。
そしてローエンドモデルは5.4インチと6.1インチの2機種。5G(サブ6GHz)に対応し、デュアルレンズカメラが搭載されると伝えている。ハイエンドモデルがミリ波のみをサポートするというのはやや腑に落ちないところではあるが、果たして。
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