新型コロナウイルスの蔓延にともない、リモートワークや巣篭もり需要が増加したことで、10年単位で市場が縮小していたPC市場が一気に息を吹き返した。
しかし、いまやコロナ禍も終わりを迎えようとしているなか、再び訪れたPCの世界的な需要減速に伴い、AppleはMacの販売不振に見舞われている。
2023年第1四半期はその傾向が顕著だった。大手PCメーカーの多くは前年同期比でマイナス成長となっていたが、なかでもAppleのMacは前年同期比でマイナス40%と、他メーカー以上の急落ぶりを見せている。
この流れを断ち切るべく、Appleは新たなMacを近いうちに投入する計画を立てているという。米Bloombergの著名記者Mark Gurman氏が伝えている。
Apple (AAPL) Makes Headway on New Mac Laptops as It Grapples With Sales Slump | Bloomberg
15インチMacBook AirはM2チップを搭載し、近く発売予定?
Mark Gurman氏によると、Appleは既存モデルよりも大きな画面を搭載した新型MacBook Airを開発しているとのこと。App Storeで配信されているサードパーティーアプリを使用した、互換性のテストが実施されていることが確認できたという。
新型MacBook Airの画面サイズは15インチで、解像度は14インチMacBook Proと同等。また、内蔵プロセッサは、Apple Siliconの現行最新M2チップと “同等” のものになるという。
8個のCPUコア (高性能x4/高効率x4)と10個のGPUコアは搭載されるとのこと。Mark Gurman氏は、搭載チップが “M2” であると断言はしていないものの、上記の情報から搭載されるSoCはM2チップになる可能性が高い。さらに、RAM(メインメモリ)も8GB〜となり、既存のMacBook Airと同様だという。
つまり、15インチMacBook Airは14インチMacBook Proよりも若干大きな画面を搭載するものの、画面のシャープさは14インチMacBook Proよりもやや低くなることに。また、パフォーマンスは現行の13インチMacBook Airに近いデバイスであるようだ。
Appleがなぜ同デバイスを開発しているのかは不明なものの、MacBook Air程度の性能で、14インチMacBook Proくらいの画面が欲しいと考えるユーザーが一定層いることから、こうしたデバイスを投入することで、落ちたMacの販売数を多少補うことが期待できるという。
本デバイスは2023年中に発売される予定だというが、Mark Gurman氏はこちらも具体的な発売時期について明言していない。
しかしながら、次世代のSoC「M3チップ」を搭載した複数の新型Macを、現時点ではWWDC23で発表予定の次期macOSの環境下でテストが行われていると説明している。つまり、2023年秋よりも前に15インチMacBook Airが登場する可能性が高いことになり、実際のところはWWDC前後で発表される可能性が高そうだ。
また、Mark Gurman氏はM3チップについても多少情報を落としており、現在の5nmから3nmの製造プロセスに変更し、集積率を高めることで、処理性能を高めることが期待できる。この新しいチップ技術は、今秋に発売予定のiPhone 15シリーズにも使用されるとのことだ。
さらに15インチMacBook Airのほかにも、13インチMacBook Airや13インチMacBook Pro、24インチiMacの新型モデルも開発しているとのこと。これらにはM3チップが搭載される予定だ。
2024年前半には14/16インチMacBook Proの新型モデルの投入が控えていると、Mark Gurman氏は予測している。順当に進化するならば、M3チップのハイエンド版である 「M3 Pro/M3 Max」 チップが搭載されることになるのではないだろうか。
関連記事
・新型MacBook AirはM3搭載し13/15インチの2機種展開か。13インチMacBook Proも準備中
・新型MacBook Airが2023年第2四半期に発売か。15インチモデルが登場との噂